蝶のまばたき

もう死にたい、消えたい・・・無職アラフィフ独身女の雑記帳

ジャスミンティーの思い出

昨日の記事では、

初めて中国に訪れたときの出来事を

一部紹介しました。

 

中国語の発音が難しすぎて、

口頭での会話が成り立たず、筆談にしたこと。

そして筆談時のエピソードでした。

 

旅行中のこうした珍事というか小話は

山ほどありましたが、残念ながらほとんど

もう忘れてしまいました。

 

今は何でもメモするという癖がありますが、

当時はそういう習慣が全くなかった。

それが本当に悔やまれます(>_<)

 

それでも記憶に残っている断片はあります。

思い出したら、そのつど、なるべく

書き留めておきたいと思います。

 

筆談で思い出したことがまた一つ。

日本から中国の上海に到着して

数日後のことでした。

 

満州地方に行ってみたいと思い、まず

上海から大連行きの船に乗ることにしました。

貧乏旅行なので、客室は一番等級の低い5等

選びました。

 

船に乗り込んだものの勝手がわからず、

とりあえず、自分の客室がどこか

どなたかに聞くことにしました。

 

近くの男性をつかまえて尋ねると、

なんと「〇〇工作員〇〇」と書かれた紙を

私に渡してきました。

エッ!? まさか、自分がどこかの

(テロ)工作員だと思われている??(>_<)

 

すぐにその人から脱兎のごとく逃げました。

とにかく巻いておかないと。

とんでもない所に来てしまったと思いました。

 

実は「工作員」とは職員のことで、

「船のスタッフに聞きなさい」という意味の

返答だと後でわかったのですが💦

(親切な人だったのになんてこと…<(_ _)>)

 

ともかく5等客室です。これがすごかった。

船底に一番近い客室。窓もない薄暗い大部屋に、

たくさんの鉄製2段ベッドが、所狭しと置かれています。

多くの乗客でごった返していました。

 

切符の番号を見ても、自分の席がどこか

などすぐに探し出せそうにありません。

手当たり次第、ベッドからベッドへ

座っている人に聞いて回りました。

 

ヒマワリの種とか軽食をつまんでいたり、

お茶を飲んでいたり、皆さんにぎやかです。

 

やはりギョッとしたのは、ほおばる口から

見える「鶏の足」。大量に入った袋から

取り出し、食べているのを初めて見ました👀

このとき、大変失礼にも

「私は無事に日本に帰れるんだろうか」

とちょっと思ったのを覚えています💧

 

やっとのことで自分の席が見つかると、

あるご夫婦と相部屋ならぬ「相ベッド」

のようでした。

お二人にあいさつすると、すぐだったと思います。

魔法瓶から、温かいお茶を出してくれました。

 

これを飲んだ瞬間を今も忘れられません。

こんな美味しいお茶があるのかと。

初めての味でした。

茉莉花茶というのだそうです。

 

この数日前の晩、大阪を出発した船の中では、

晦日の「紅白歌合戦」が流れていました。

 

そこでは歌手の杏里さんが

オリビアを聴きながらを歌っていて…

あの歌は昔から大好きなんです。

 

特にこの部分の歌詞。

「 ジャスミンティーは 眠り誘う薬

  私らしく一日を 終えたいこんな夜 」

 

飲んだこともないのに、昔から鼻歌で

真っ先に出てくるのはこの部分でした。

まさか図らずも異国の地で

本物のジャスミンティー(茉莉花茶)に

出逢えるとは・・・。

 

ここから2か月間の旅行中、ほぼ毎日

ジャスミンティーを飲まない日はなく

大好きな飲み物となりました。

日本も今では、ペットボトルでも普通に

売られるようになりましたね。

 

四半世紀経った今でも、

あの時のジャスミンティーほど美味しい

飲み物には出会っていません。

全てのドリンク歴を通しても。

 

5等船室で飲んだあの茉莉花茶

優しいご夫婦と飲んだ温かい一杯です。

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

          2022年9月12日