蝶のまばたき

もう死にたい、消えたい・・・無職アラフィフ独身女の雑記帳

女性に一番大切なもの

「あなたに女の子の一番大切なものを~♪」

山口百恵の歌にこんな出だしのものが

ありました。

 

女の子、いえ、女性に一番に大切なものは

何だと思いますか?

 

まちがいなく、それは自尊心です。

最近では「自己肯定感」という言葉がよく

使われますね。

自分自身を大切に扱う心とも言えましょうか。

 

~~自己肯定感についての過去記事です

「自己肯定感」という病 - 蝶のまばたき

 

 

今日は母の姉である、

靖子おばさんの命日です。

といっても、私が生まれる前に亡くなったので

実際会ったことはありません。

 

35歳の若さで亡くなりました。

自宅で亡くなり、変死扱いでした。

栄養失調からくる多臓器不全ではないかと

との推測でした。

 

近所の人からは、(最後は)自分で歩けず、

階下のお風呂に夫が抱きかかえて

連れて行ったのを見たという証言があり、

それほど衰弱していたようです。

 

戦時中とか、戦後の何もない焼け野原の

時代などではありません。

日本がどんどん豊かになっている

高度経済成長期真っ只中の頃の話です。

 

靖子おばさんは元々快活でおしゃれな人。

勉強好きな働き者でしたが

結婚してから大変苦労したようです。

夫がろくでなしだったからです。

 

いったいどこで出会ったのか、

ろくに働きもせず、

妻からお金をむしりとり

ギャンブルに明け暮れるような男。

 

当時千葉県柏市に住んでおり、

東京都内に住んでいる兄弟や、

わざわざ遠い北関東の実家まで

お金を借りに来たこともあったようです。

 

実家に来たおばさんは、

電気もつけず真っ暗な部屋で泣いており、

「夜遅いから泊まっていきなさい」と

言われても「(夫に)怒られるから」

と夜道を帰って行ったとのこと。

 

警察から田舎の家族の元に

死亡の連絡が来た時、夫なる人物は不在。

具合の悪い妻を放っておいて

このときもギャンブルに行っていたのか?

本当にふざけています。

 

司法解剖に回そうかという話が

出たそうですが、夫にそれを告げた時、

動揺する気配がなかったため

しない方向になったそうです。

 

靖子おばさんには子供がいなかったため

「離婚すればよいのに」とか

「逃げてしまえばよかったのに」

と今なら思えます。

しかし、当時の社会観からすると、

そう簡単には考えられなかったでしょう。

 

それに、自分がその渦中にいると、

日々をやり過ごすのに精いっぱいで

選択肢はなかなか思いつかないものです。

 

私の母も、ろくでなし夫(つまり私の父)

に大変苦労しました。

家庭を顧みず、生活費はまともに入れず

お酒、パチンコ・ギャンブルが大好き。

家にほとんど寄り付きませんでした。

 

いいことは一つもなかったと思いますが

それでもなかなか離婚はしませんでした。

母は死にはしませんでしたが、

夫の傾向が靖子おばさんに似ています。

 

母と靖子おばさんの間にもう一人

T子おばさんがいます。

T子おばさんは、子供の頃、空襲で逃げる時に

爆撃による破片物で片足にけがを負い、

びっこを引くようになりました。

 

そのため、T子おばさんの母(=私の祖母)は

この子は「嫁のもらい手があるのか」と

大変心配したそうです。

ところが、働き者で優しい男性とめぐりあい、

姉妹の中でも一番幸せな結婚をしました。

 

T子おばさんは気が強く、自己主張をバンバン

するタイプの人です。

元々の性格なのか、足が不自由になったことで

周囲からみくびられないよう振る舞い

強くなっていったのかはわかりません。

 

祖母は早くに夫を亡くし、

女手ひとつで(男兄弟含め)6人の子供を

養わなければなりませんでした。

また、当時は家父長制がまだ強くあり

息子には手をかける一方、娘への扱いは

冷たい傾向があったようです。

(忙しければなおさらだったでしょう)

 

母は末っ子でしたが

「母(私の祖母)には優しくされたことはない」

と言っており、靖子おばさんにも

接し方に冷淡な感じがあったと話しています。

 

今の恵まれた時代と同列に語っては

酷な部分があるかもしれません。

ですが両親との関係がその人の自尊心と

関係していることは否めないと思うのです。

 

気が強ければいいということではありません。

自尊心、自分を大切にする心がないと

自分の希望や思いをなかなか主張することが

できません。それが問題です。

相手の意向ばかりが通り、相手のいいなりに

なってしまうのです。

 

「相手を幸せにできればいいではないか」

と思った方は危険です。

当然のことながら現実は、相手と自分の

希望が一致する時ばかりではありません。

 

片方の幸せが、もう片方に我慢や苦労を

強いることによって成り立っている関係は

大変不健全です。

ひどいときには、靖子おばさんのように

死に至るケースもあるのです。

 

恋人であれ夫婦であれ、お互いの希望や

思いをすり合わせながらやっていくべきです。

「今さらそんな当然のことを言われなくても…」

と思うでしょうが、DVは後を絶ちません。

 

男性にももちろん自尊心は大切です。

ただ、女性にはもっと大切です。

 

女性は、歴史的、社会的、生物学的に

どうしても男性に従属して生きていく

スタイルにならざるをえない部分が

あるからです。

 

たとえば結婚したとき、

男性の生活はほぼそのままですが

女性は男性に合わせ、仕事を辞めたり

住居が変わったり、大きな変化を強いられる分

負担が大きいです。

 

男女は対等な関係であるはずですが、

女性は自己主張がしにくい立場に

あります。

 

まだまだこの時代になっても

パートナー選びを間違えると

死活問題になります。

そのためにも自尊心はなくてはならないものです。

 

たとえパートナー選びを間違えたとしても

自尊心さえあれば、健全な方向へやり直せます。

 

幼少期の成育過程で獲得できなかったとしても

後からでも、自分を大切にする心は持てるはずです。

 

もちろん独身であっても

自尊心は一番大切なものです。

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

       

             2022年6月27日