蝶のまばたき

もう死にたい、消えたい・・・無職アラフィフ独身女の雑記帳

ここらでよか

毎日辛いです。

いったい何のために生きているのだろうか。

生きていていいのだろうか。

とそんな毎日です。

 

やりたいことも、目標も特にありません。

それが何よりも辛いです。

お金がないことよりも辛いです。

希望がないことが辛いです。

 

さすがに食べて寝てだけではまずいと思い

このブログを始めたわけですが。

あと、ボケないようになんとか

読書だけは細々と続けています。

 

ドライアイで目が疲れやすいので

一気にたくさんは読めませんが、

休み休み読んでいます。

(すぐ時間がたってしまいます😲)

 

今読んでいるのが、

司馬遼太郎『新史太閤記です。

文庫だと上下2巻のようですが、

司馬遼太郎全集版なので、1巻分です。

太閤記」ですから、もちろん豊臣秀吉の話です。

 

今、本の2/3位までの所まで行きました。

対毛利方の清水宗治が守る、備中高松城

水攻め包囲戦が成功しました。

その一方で、主人の織田信長本能寺の変

亡くなってしまいます。そのような辺りです。

 

この『新史太閤記』は読みやすいです。

農民から天下人への出世物語なので

(今のところ)単純にスカッとします。

 

旧来の武将にはない知恵や発想で

次々と戦や危機を乗り越えていきます。

主人公の秀吉中心に物語がシンプルに進むので

わかりやすいです。

 

以前、同じく司馬遼太郎翔ぶが如く

読んだことがあります。

内容は興味深く、本当にすご~く面白いのですが、

かなり読みにくかったです。

 

文庫版で全10巻!という長編、

という理由だけではないと思います。

登場人物が多く、戦国時代と比べて、

時代的に個々の関係性がより複雑です。

と同時に日本が置かれている状況も、でしょうか。

(あと自分の理解力退化のせい・・・(>_<))

 

主人公をもし1人だけあげるとすれば、

西郷隆盛でしょう。ただ、西郷さんを中心に

物語が進んでいくわけではありません。

まず、出だしからが川路利良(警察制度の創始者)の

登場です。

 

ストーリーとしては、明治維新後、

征韓論をめぐる明治6年の政変

各地で起こる士族の反乱(萩、神風連、佐賀の乱など)

⇒そしてついにクライマックス 西南戦争  

という流れになります。

 

征韓論とは何か、それと同時に、

西郷さんとはどういう人物だったのか

に迫ろうとします。

 

西郷さんが置かれている状況を、その本人ではなく、

周辺の人々や関係者の立場や動きを描くことによって

表すというのか、そのようにして

西郷さんに近づいていく、という手法です。

 

征韓論とは?西郷さんとは?

主人公なのに、西郷さん自身を追っても

何も出てこない、かえってわからなくなります。

西郷さん=その時代そのもの

だからでしょうか。

 

明治維新の立役者として大久保と共に躍動し、

革命を成功させた西郷さんは、

維新後は別人のように動きを止めてしまいました

 

自らが生み出したといえる

明治新政府への失望を征韓論により昇華させ、

我が身を捧げようとしましたが、それも叶わず。

 

西南戦争は、「もうそうするしかなかったんだな」

という感じです。

 

最期の言葉「もう、ここらでよか」

「ここら」を西郷さんはずっと

探していたのではないでしょうか。

 

革命で燃え尽きた自身の最後の生かし場所、

落としどころを。

維新革命の原動力、最大の功労者でありながら

新日本にとっては、過去の邪魔者とならずにいられなかった

士族という哀しい存在の散り場所を。

 

 

大久保と新政府が乗り越えるべき(倒すべき)

時代そのものを、やはり西郷さんが自身の

血肉でもって体現してくれたとも言えます。

目に見える実体があればこそ、

容易に倒すことができるのですから。

 

 

この小説もだいぶ記憶が薄れているので

またもう1回読んでみたいと思っています。

いかんせん長~く深いので、それなりの覚悟が必要ですが。

 

最後に、

佐賀の乱江藤新平を検索するときは

画像に気をつけてください!

 

秀吉の時代と違って、

本当の写真が出てきてしまいます。

三島由紀夫のときと同じ衝撃が…⚡)

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

         

           2022年6月2日