蝶のまばたき

もう死にたい、消えたい・・・無職アラフィフ独身女の雑記帳

ヘルパーは見た!?

無職になるまでは

訪問介護の事業所で職員をしていました。

 

訪問介護とは、

ヘルパーが要介護者の自宅へ訪問し、

日常生活の支援を行うサービスのことです。

 

内勤・事務仕事もありましたが、

介護ヘルパーとして現場仕事も

朝から晩までたくさん行いました。

 

ちなみに

ヘルパーは「家政婦」とは全く異なります。

     (↑混同する方多いです💦)

ですが、個人の自宅で仕事を行うことや、

本人やその家族についての情報把握が重要である

仕事の性質上、時には プチ「家政婦は見た!👀」

のような気持ちになることもあります。

 

いえ、今日はそういう暴露話を

披露する回ではありません。

ちょっと期待した方すみません。

(職員の守秘義務は退職後も続きます💦)

 

あ、今回は「ほのぼの話」がしたくて、

訪問介護を切り出したんでした!

 

訪問先の利用者の介護度(介護が必要な程度)

は様々なので、比較的軽い方もいれば、

重い方もいます。

 

動けない寝たきり方の介護度は重いですが、

身体的にはそれほど悪くない方でも、

認知症が進むことで、介護対応の難易度は

かなり上がってきます。

 

今まで、難易度が高いお宅を

数多く担当してきました。

その中で最も大変だったのが、

長時間ケア対応が必要な重度認知症の方でした。

(仮にその方を「Mさん」とします)

 

認知症が進行すると、

「失認」「失行」といって

ある物について(見えているのに)

それが何なのかわからなくなったり

(動けるのに)動作の方法がわからなくなったりする

症状が出る場合があります。

 

例えば、目の前にペンがあるとします。

普通は書く道具であるとわかりますが

「失認」だと、これが何であるのかわかりません

 なので、口に入れてしまったりします。

 

目の前に料理を出されても、食べ方がわからず

自分で食べることができません。これが「失行」です。

 

Mさんは、「失認」「失行」のほか

言葉自体がほぼ理解できず、

会話が成立しない状態でした。

体の動きも悪くなり、時には車いすが必要でした。

 

身体介助を進めることが実に難しく、

不穏になったり、荒い言動での拒否が

頻繁にありました。

 

Mさん本人にしてみたら、

私の声かけを理解したくてもできません。

これからいったい何をされるのか、

何も状況がわからないまま移動させられ、

身体に触れられ、口にスプーンを入れられ…。

 

知らない人に、一方的に何かされるわけですから、

さぞかし不安で怖かっただろうと思います。

拒否や抵抗もそれゆえに起こったことです。

 

しか~し、そこには救世主がいました

Mさん宅のペットのワンちゃんです。

 

やはりどんな時も 

かわいいは万能(*^^*) なのですね。

犬が近くに来たり、隣に座ったりすると

(毎回ではありませんが)

Mさんの表情も穏やかになります。

 

笑顔で頭をなでるときもあります。

毎日一緒に生活している同居人でもありますから

安心で心強いですよね。やはり動物の力はすごい。

 

ヘルパーの私にとっても、頼もしい話し相手、

癒しの存在になってくれました。

 

Mさんの拒否が強く、

どうしても行いたい介助ができない時

その犬に「できないよ~、Cちゃん(犬の名前)

どうしよう??」と相談していました。

 

返答はありませんが、

かわいらしい仕草を見ているだけで、

「もう一回やってみよう!」と思えたものです。

 

また、Mさんに移動を促すとき

「Cちゃんが〇〇(悪さ)しちゃったから、動くよ~」

と犬を出しに使わせてもらうこともありました。

Mさんに通じなかろうが、勢いで言っていました💦

 

犬って人間みたいなんですね。

Cちゃんに「肩をたたいて、相手が振り向くと

 (自分が)ソッポを向く」というイタズラを

やってみました。

 

すると、本当に人間がやるみたいに

首をかしげて不思議がるんですよ。

「あれっ??」て感じで(笑)

 

ちなみにCちゃんは、

ヘルパーが来た時には毎回

狂喜乱舞で大騒ぎの熱烈歓迎です✨

 

足元にまとわりついたり、

玄関や居間で何度も飛びはねて、

体いっぱい使って歓迎してくれます。

 

誰が来ても同様の歓迎をするそうですが、

以前その際のジャンプで着地を失敗し、

足を痛めたこともあるそうです(うっ…健気…)。

Mさんのご家族が教えてくれました。

 

退出時ももちろん、おろそかにしません。

玄関まで来て、しっかり最後まで

見送ってくれます。ありがたいです。

 

Mさん宅に通っている時、本気で思いましたよ。

「今この地球上で、自分の来訪をここまで

歓迎してくれる生命体はCちゃん🐕だけではないか」と。

実の親兄弟でもここまで喜びませんよ、実際。

 

「犬のCちゃん = マイ・レゾンデートル」でした。

 (英仏ごっちゃになっとる…)

             

Mさん、Cちゃん、本当にありがとうございました!

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

              

                  

                 2022年5月22日